ヒダマルのアニメ日記。

毎日午後8時に更新するアニメ感想ブログ。アニオタ・元保育士・隠れアスペルガーと、三拍子揃ったヒダマルがお送りします。

モーリーのメモ

笑いのアップデートの話。 【真面目な話】

 

 みなさま、こんにちは。
 ヒダマル(アプデ版)です。

 

 変化が速いこの時代、「価値観のアップデートをせよ」とはよく言われています。これに失敗すると「老害」とか呼ばれちゃうので怖いですね。ヒダマルは避けたいところですが、年齢的にそろそろ油断できないので気を付けてます。

 

 昨日話したお笑いの中でも、この流れは確実にありまして。というか「笑い」だからこそ激流が当たる場所にいるんだろうと思いますが。

コントな話。 - ヒダマルのアニメ日記。

 

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 これまた常々、感じていまして。

 

 例えば、「こんな変な人がいたんですよ」系の笑いって、もう笑えなくなってますよね。

 

 ずいぶん前に『人志松本のすべらない話』でキム兄さんが「車屋のキクチ」という話をされてましたが、ヒダマルまったく笑えません。キクチ側の人間なので。苦痛でしかなく、言わば「いたたまれない話」です。

 最近の岡村さんの発言もそうで、「笑いにしていいものと、してはいけないもの」の区分を更新していないからなんですよね。「空気を読む」って芸人さんの得意技なはずなのに。

(それはそれとして「コロナの影響でカツオが安くて嬉しい」との倫理的な差異はどこなのかといった議題への興味はありますが)

 

 ヒダマルは(感情と)計算の上で言ってる部分も大きいのでべつに聖人君子ではないんですが、確実にもう笑えなくなってきてます。むしろ引かせます。不安と嫌悪感は健康な笑いから遠い感情です。笑わせるにはまず「安心」させないと。人は「笑っていいんだ」と思えないと笑えないので。

「お前に笑いの何が分かるんじゃ」と言われればそれまでですが、小説だって笑いは使うので同じような構図を内包していますとだけ。

 

「こんな変な人がいたんですよ」が笑えないのって、もう、「笑っていいのかな」という不安がつきまとうから。むしろ「笑っちゃダメでしょう」だから。この変化に取り残された芸人はそりゃ、どんどん笑えなくなるだろうなーと思います。

 

 安心して笑えるのは「誰も傷つけない、優しい笑い」だけになっていく。筆頭はエガちゃんやANZEN漫才のみやぞんさん、キャイーンのウド鈴木さんなど。

 イジリ系の笑いは「本人が了承している場合のみ」になるでしょう。「ハゲ」や「ブス」や「デブ」を売りにしたい人もいれば、決してイジられたくない人もいる。相手の意志及び関係性が重要なので、職場の素人が猿真似しても面白いわけがないレベルの高等技術になってます(前からそうでしょうけど)。で、これに気付けない(アップデートできない)人が老害扱いされてしまう、と。

 

 ここで肝要なのは「売りにしたい人は売りにして良い」を残すことです。この観点が抜けてる人多すぎです。

 笑いやイジリに留まらず、分かりやすいのが女性関係。自分の肉体美を売りにしたい女性もいれば、それをしたくない・他人からそうした目で見られることは我慢ならない方もいるだけの話です。どちらかのみ正しいとすれば現実と噛み合いません。

 相手はどういった立場なのか、ひとりひとり慎重に模索しないと摩擦が起こる。この辺は「評価の話」にも通じる、難しいとこだと思う。単純に面倒でもある。

 

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 性行為の同意を紅茶に例えた有名な動画がありますが、性に限らず運用可能な視点だと思います。有益です。

 


性行為の同意を紅茶に置き換えて下さい!

 

 ……ただこのままだと、状況を問わず「紅茶を飲みませんか」と相手に確認する行為自体はOKになっちゃうんですけど、あくまで例え話なのでそれはまぁ。芸人さん同士が「ブスいじりしていいか」などと確認し合うのは仕事の話なので別かなと想像します。

 日常的には最大公約数というのか、実践的なポイントを押さえておけばいいんでしょうけどね。「他人の身体に勝手に触らない」くらいなら誰にでも守れる。今日日アップデート関係ない常識だし。常識のない人もいるけど。ヒダマル含め(文脈地雷を感じる)。

 

 ヒダマルこのへん、実はこだわってます。こういう言葉使ったことありません嫌いなので。「ハゲ」「ブス」「デブ」「チビ」「バカ」「アホ」「カス」「クズ」「ジジイ」「ババア」「死ね」「殺す」、このブログで読んだことないはずです。「バカ」と「阿呆」なら使うかな、自分にのみ(あ、アホはけっこう使ってる……!!)。

 試しに「ハゲ」で検索してみると……、

 

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『つるピカハゲ丸』が出てきた回のみ。

 ね、度々センシティブな話題取り上げてる割には穏健派ブログなんですよ(それこそ良識あればそんなに使わない言葉たちだろうけど)。

 

 小説も同じで、あれだけ流暢な罵倒語を使う白隈霞美ちゃんも「死ね」とだけは決して口にしないんですよ気付いてました?

 

novelup.plus

 

 読んでる方は「そりゃそうだ」だろうし読んでない方は「なるほど……」と思うはずなので読んで読んで。

 まぁこれは小説の話だから「死ね」って言うキャラなら言うんだけど。小説に使うかもしれないからストックはしてるけど、ブログや日常とは分けている、てことです。かね。あと、カタカナ二文字で終わっちゃ芸がないから「クズ」を表現するにしてももっと色々こねくり回したいよねと。

 

 ということで、価値観のアップデートは大切ですよねという話でした。お笑いの世界は敏感だろうから、観測してれば勉強できることがあるかもしれません。

 とりあえず、「なんのこっちゃ」という方は東野さんのご意見を読んでみてください。

 

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 元になったラジオはこちら。

 記事ほど堅苦しい感じじゃなく、ほぼほぼアップデート遊びですが。

 


【第32回】アップデートして行こう

 

 ……まぁアップデートが即ち「正しい」わけではないし、妙な方向にアップデートしてる界隈もあるっちゃあるから難しいのだ……。