『ゲゲゲの鬼太郎』第64話感想 【セチガラ!】
みなさま、こんにちは。
「水虎が映す心の闇」を観たヒダマルです。
いやぁ想像以上に深かった、闇。
浮世の世知辛さを掘り下げ続けるスタイル、途中から「これ子どもに見せていいのかな」と心配になるくらい。まぁ映像はやんわりしてたけど。
いっそのこと「!」で〆る四文字系タイトルにして『セチガラ!』にタイトル変更してもいんじゃないかな。
いや、それでいうと『キタロウ!』?
むしろ『ゲゲゲノ!』?
カタルシスへの抑圧。
カタルシスとは「浄化作用」、つまり「これまでの鬱憤や問題が解決した際の晴れ晴れとした感覚」くらいの意味で、「あースッキリした」という感覚です。
この「あースッキリした」を生むために、障害だったり葛藤だったり対立だったり抑圧だったりを用意するわけですが、今回のそれの世知辛さといったら。
夫も息子も自分も同じ一家のメンバーから責め苦を受けている現状を伝えて、それはもうとんでもない抑圧を作っていました。比較的短かったのはやっぱアニメのバランスですね。
今回の主人公・辰川さんの表情変化はすごかった……。
婦人会の会合で初めて水虎を操る顔がこわかった……。
【『ゲゲゲの鬼太郎』公式サイトより引用 ©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション】
水虎が鬼太郎に追われしまい単身で捕まって殺害予告を受けても微動だにしない辰川さんの表情、現実に対してもう「どうでもいいや」としか感じてないからこその顔だとすれば相当なホラーだと思いました。
人を呪わば穴二つ。
人間の願いを叶える妖怪・水虎でしたが、「人を呪わば穴二つ」的なパターンでした。猿の手にも近い感じ。『×××HOLiC』の猿の手は好きだったなぁ。
願ってもない願いを叶えられてしまってさぁ大変と気付いた辰川さんが奮起して、鬼太郎へ勝機を持ち込む展開。ターミネーターでした。2。
お約束と言えばお約束なんだけど、ねずみ男がうまいこと動いて(動かされて)全体を締めてくれてる印象でした。ほんと役に立ちますよね彼は。
人を次々ミイラにしておきながら「封印されるとみんな復活する」という甘々な設定だったけど、やっぱりここも子ども向けアニメだなぁと。かなりチャランポランな人体構造してます。
であればこそ余計に、かみなりの回やラ・セーヌの回で軽々しく死人を出すのやめてほしかったなぁと重ね重ね。
まとめ。
鬼太郎のセチガラシリーズのみ集めたDVDとかあったらちょっと需要ありそうだな……。「幽霊電車」「河童の働き方改革」「ずんべら霊形手術」「小豆洗い小豆はかり小豆婆」「泥田坊と命と大地」……。
セチガラ要素のない回を探す方が大変な気がする。
次回は「建国!? 魔猫の大鳥取帝国」。
鳥取に帝国が築かれるそうです。
砂上の楼閣になりそうです。
(うまい)
(そうでもない)