『ゲゲゲの鬼太郎』第87話感想 【人間の悪】
みなさま、こんにちは。
「貧乏神と座敷童子」を観たヒダマルです。
存在そのものが悪である貧乏神と、存在そのものが善である座敷童子……、というイメージがあるものの、その固定観念に一石を投じるお話でした。一筋縄じゃいきません。
貧乏神の正義。
まなちゃんの友達、綾ちゃんの家に住み着いていた貧乏神。
普通に会話が進む喫茶店内、その背景にいつのまにかひっそりと座ってうつむいている貧乏神がなかなかホラーでした。でも意外と親しみやすいキャラだった。
綾ちゃんのフライパン攻撃を受けてたし、妖怪って意外と物理攻撃が効きますよね。庄司おじさんの野球ボールとか。
【『ゲゲゲの鬼太郎』公式サイトより引用 ©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション】
悪事を働く人間の家に住み着くことでそれ以上の堕落を防いでいるという、なんとまぁしっかりした考えのもと貧乏神業に携わっていました。途中で善悪がひっくり返る様は気持ちいいです。
要所要所、眼光鋭く状況を呑む貧乏神の聡明さ。「タダモノじゃないな」という印象で、単純な悪ではない存在感がありました。こういう貧乏神ならいてほしいよね、と。
座敷童子の純真。
綾ちゃんが幸せになるように、その一心で幸福パワーを発揮し続ける座敷童。綾ちゃんの両親がお金に溺れる傍らでどんどんやせ細っていく姿がなぁ。
経営のノウハウなんかそっちのけでどんどん事業を大きくしていく愚行に、妖怪なんかにゃ及ばない恐怖を感じましたよヒダマルは。これ失敗したらどうすんのお金って。それはそれでまた、お金に縛られた人間のモノの捉え方なんだろうけど。
あのまま行けば力を使い果たして消滅ルートもありそうだったから、綾ちゃんの行動が救ったとみていいでしょう。
大金を燃やした綾ちゃんに「まぁこいつらはもう大丈夫だろ」と希望を感じたんだろう、貧乏神も。
まとめ。
……ただ、鬼太郎関係なかったではある……。ほぼほぼ当事者間で決着してたな……。
そこはこう、「金持ちにちょっかい出すねずみ男」「調停しようとする鬼太郎」「ねずみ男をこらしめるねこ娘」という様式美のもとでお話が組まれてましたけど。
それと今回からEDテーマが変わってました。
日本政府とバックベアード軍とぬらりひょんの三勢力が印象付けられてましたが、今後どうなるんだろう鬼太郎。たぶんあと三ヶ月で終わりますよね。そんな気がする。
次回は「一反木綿の恋」。
ぬりかべだって恋するくらいだから、恋多き一反木綿のターンもあるか……。そういえば、恋愛バナシのないキャラは鬼太郎親子だけだなこれで……。