地元な話。 その7【旧伊藤伝右衛門邸・北棟編】
みなさま、こんにちは。
ことあるごとにヒダマルです。
旧伊藤伝右衛門邸シリーズの第四弾、「北棟編」をお送りします。
屋敷の主人・伝右衛門さんのお部屋と、そのお隣、女性的な雰囲気漂う座敷をご紹介。前回↓はダイナミックでしたが、今回は細部へ目を光らせようと思います。
まずは、見事な一点透視を魅せる廊下を奥へ進みましょう。
……何枚あるんだこの畳。
中座敷(主人居間)。
この中座敷はですね、全体を捉えた写真が一枚もないんですよね。
前回の本座敷で圧倒されちゃってて……。
違い棚。
木の風合いを活かした作りが素敵ですね。
ヒダマルは基本「ピシッ」としたシンプルなデザインが好きですが、こういう自然な味わいも好物です。
サラリとした欄間。
よく見ると、左奥の四角にも惹かれます。
スクウェアを組み合わせるとか……。いつの時代のデザインだ……。
ここにも白蓮さん。
他にも、お屋敷のあちこちに歌が飾られていました。
そして、主人の座敷だけあって……、
贅沢な景色をひとりじめ。
気が向いた時にふらりと庭に出て、考え事でもしてたんでしょうか。
左には、庭の中央に位置する四阿(あずまや)。
あそこにも行ってみたので、お庭に出たら紹介しますね(いつになることやら……)。
右には、石造りの橋が見えます。
渡りたかったんですが、あの橋は立ち入り禁止だったんですよねぇ。
余談ですが、上の写真の窓ガラスの、景色をぐにょぐにょーんと歪ませる感じも大好き。
奥座敷。
中座敷の隣には、奥座敷。
北棟は本座敷・中座敷・奥座敷の順に部屋が並んでいます。
ここも部屋全体の写真がなかったんですが、細部へのこだわりが凄くって。
説明書きにもありますが、全体としてどこか女性的なお部屋でした。屋敷の中で、ここが一番好きかもです。
すりガラスがあればなぁ……
ちょうちょ。
ため息でますよね。
装飾の豊かさは屋敷随一という印象でした。
そして、いちばん気に入ったのが、下の襖絵。
すすきにすぎなに、たんぽぽ……。
なんて温かい……。
この襖をぴたっと閉めて、お布団敷いて寝たいです。
そしてこの部屋、角部屋でもあるのですよ。
広々とした緑。
ここにさ……、
秋刀魚とスルメ、焼酎のお湯割りをお盆に載せて……、
虫の声なんて聴きながら……
いかん、妄想が止まらない……。
トイレ。
トイレでこれかよ。
お金持ちはトイレにもこだわるんですね……。
「全体的に数寄屋造り」って、どこの誰がトイレを数寄屋風に作ろうって言いだしたんだ……。っていうか数寄屋造りってなんだ……。
あっちこっちに竹が使われていて、清潔感があります。
床にも、板と互い違いに竹を貼っています。よく見えませんが、窓も非常に凝った作りで、茶室かなにかみたい。
九州初の水洗トイレらしいですよ。
まとめ。
旧伊藤伝右衛門邸・北棟編でした。
特に言及しておりませんが、中座敷・奥座敷共に広いです。それはもう当然の如く広いです。
一部屋で十畳、しかもそれぞれ「次の間」という謎空間と一体になってるので、お察しです。
そして次回は、この屋敷唯一の「二階」へ潜入しますよ……。(蔵を除く)
波乱万丈を絵に描いたような人生を送った歌人・柳原白蓮さんのお部屋へ……。 予告画像を載せておくと、
屋敷内で、最も有名なギミックです。
地元な話。 その9【旧伊藤伝右衛門邸・二階座敷/白蓮居間編】