『ゆるキャン△』は無理なので、『へやキャン△』を目指してみる。 その7【真・ローストビーフ編】
~前回までのあらすじ~
念願のスキレットで、ローストビーフ作りに挑戦したヒダマル。
しかし、バルサミコ酢を使った愚かな行為により自業自得の返り討ちに会ってしまったのである。
手痛い失敗に見舞われたヒダマルだが、ここで終わる訳にはいかない。
彼は再びスキレットを手にし、立ち上がるのだった……!
リベンジ。
始まりました『へやキャン△』シリーズ。
前回の投稿は5月13日だったので、丁度一ヶ月ぶりですね。このまま月一企画として定着しそうな予感。
そして今回は、リベンジです。
上記の記事で作ったスキレット料理、「ローストビーフ ~バルサミコの海~」は激マズでしたからね。思わずバルディエルに意識を乗っ取られたくらい。
痛い目を見たローストビーフを、今度こそ美味しく作ってやろうと思います。
ええ、思います。
言っときますが、フリじゃありませんよ。
フラグも立ってませんよ。
レッツクッキン!!
さてね、お料理していく訳でございます。
お肉はもちろんビーフ。
今回のお肉は「これをまぶして焼くと美味しくなるよっ☆」的なパウダーが一緒に入っていたので、既にまぶしてあります。
にんにくと香味野菜のいい香り。
スキレットに油をひいて、今回はジャガイモとしめじを焼きます。
いい色が付いてきたら、一旦取り出して、お肉を投入。
前回は焼き過ぎて中まで火が通ってしまったので、強火で焼き色を付けたらすぐに取り出します。
いやぁ美味しそうだ。
しかし、
ここで決して油断してはならないことを、ヒダマルは知っています。
前もここまでは順調だったんですから。
焼き色を付けたお肉をアルミホイルで包んで、余熱でじっくり火を入れます。
その間に取り掛かるのは……、
ソースだ。
グレービーソース。
残った肉汁をそのまま使い、ワインやブイヨンなどで煮込んだソースのことです(もしかすると違うかも)。
今回使用するのは、こちらのメンバー。
おっとぉ?
鬼門・バルサミコちゃんの姿が見えるぞぉ?
しかし、大丈夫。
ヒダマルだって料理人のはしくれ、彼の扱い方は一ヶ月前よりうまくなっています。「このくらい入れたら、このくらいの酸味かな」という感覚は磨いてきましたからね。
今回はワイン100mlに対し、バルサミコ酢15mlの分量でソース作りに挑みます。ヒダマルの舌は甘味に敏感なので、ハチミツは隠し味程度に。
さぁ、リベンジの始まりだッ!!
ワインとバルサミコ酢、ちょびっとのハチミツを入れ、沸騰させて酸味を飛ばします。
ところで、前回のヒダマルが犯した致命的なミスがひとつありまして……。
それは、
味見をしなかったことだ。
早くお肉を食べたいあまりに、味見を怠った結果があのザマなのですよ。今日はキッチリ味見しますよ。
ひとくちめ。
すっぱい。
まだすっぱい。100対15の比率でもすっぱいんだから、前回の「バルサミコ100%ソース」がどれほどの地獄だったか。
予想以上にすっぱいのでハチミツを少量追加して、酸味を飛ばすためにもう3分くらい沸騰させます。
ふたくちめ。
うん?
ちょっとまろやかになってる!
よぉしいいぞ、この調子。
ただ、ソースと言うほど味が付いていないので、醤油を10mlと塩をひとつまみ入れました。
かなり少なくなってきましたが、更に1分。
さんくちめ。
イケる。
これなら戦える。
アルミホイルの呪縛を解いたお肉、ジャガイモ、しめじを戻して軽く温めれば……、
完成ッ!!
リベンジッ!! お洒落へやキャン!!
どうだ、お洒落だろう。
ふっふっふ……。
ビジュアルは前回とほぼ同じ、しかぁし今回は「真・ローストビーフ」が鎮座しているという決定的な違いがあるのさ……ッ!!
切ってみます。
うん、中はレアです。
逆にちょっとレア過ぎる感はありますが、まぁよしとします。
最近登場の場がない木皿くんに取り分けてあげましょう。
手作りの、ネイティブ柄。
鉄鍋でリベンジした、ローストビーフ。
手ずからヤスリをかけた、アカシア木皿の香り……。
……いただきます。
……ふ。
ふ、ははは。
あははははははははははは!!!!
は は は は
は は は は は
は は は は は は は
は は は は
うまい……ッ!!
香ばしい焼き目を入れつつレアの歯応えを残した牛肉……、
噛めば噛むほどに溢れる旨味だが、その後ろに顔を出す酸味の源はバルサミコヴィネガー……!?
ソースが奏でる渋味と酸味、そしてハチミツのほのかな甘みが幾重にも絡み合い、永遠に噛み続けていたいとさえ感じさせる肉汁との饗宴……ッ!!
そして喉へ流し込む、キンキンに冷えた水曜日のネコッ!! ホップが弾ける喉越しはもちろん、奥からは現れるのはオレンジピールを思わせる芳香……ッ!!
驚くべきは……、ガツンと舌を刺激するワイルドなローストビーフに対し、繊細な水曜日のネコが相性抜群であるという事実ッ!?
そうかッ!
両者共に「味の奥深さ」という点で共通しているが故にッ、互いの魅力に気付き高め合うことが可能という訳だな……ッ!!
野性味あふれるローストビーフと可憐な水曜日のネコ、一見アンバランスな組み合わせだがしかしッ!!
他に類を見ない運命的な相性の良さ!!
例えるなら、そう、正に……ッ、
美女と野獣……!!
まとめ。
まさか、ローストビーフを食べてグルメ漫画みたいなリアクションを取る日がこようとは。人生、何が起こるか分かりませんね。
美女ちゃん、ネコミミにすればよかったかな……。
そして、今回は前と比べ物にならないクオリティのローストビーフが完成しました。しかし、まだ工夫できそうな点があるのも事実です。
これはこれで追求しつつ、他のもやってみますかね。次はなに作ろうか。
では、ここは『ゆるキャン△』に登場した「あの名台詞」を発して、お別れの挨拶と代えさせていただきましょう。
せ~のっ、
……肉、食うかい?
(大塚明夫Voice)