ヒダマルのアニメ日記。

アニメの感想やキャラ考察など。

『だがしかし2』 第五話「救急車とタラタラしてんじゃね~よと……」


 あれから、三ヶ月が過ぎて。
 時は、第一話の冒頭に戻ります。


なんで、この店、こんな、……ボロボロなの?

 サヤ師の疑問に、

ココノツ「そうかなー?」
サヤ「そうだよボロッボロだよッ!!」
ココノツ「でも、何とかなってるし大丈夫っ」

 やけに元気な声で、ムリヤリに分かれたココノツ。サヤちゃん、心配そうです。

 


 我が家に入ると、

ヨウこの店は終わりだ………。あ、お帰りー

 鹿田ヨウさん、つまりはココノツの父ちゃん、要するにこの店の最高責任者が、いきなりそんな呟きで出迎えてくれやがりました。
 ちなみに、ヨウさんの声は藤原啓治さんです。『クレヨンしんちゃん』のパパ。『ダークナイト』のピエロ。

 

「おわり、って…………。え?」

 放心した表情で、店内に視線を配るココノツ。
 棚に商品は無く、空き箱だけが散乱し、あちこちにホコリの積もった、薄暗い店内。彼の目に映るのは、廃墟のような駄菓子屋でした。

 

ヨ「ぁえっとぉ……、言葉の通りなんすけど……」

 持っていた鞄を、床に落とし。立っているのもやっとの様子で、ふらつくココノツ。
 その瞳は、もはや……、死んでいます。

 

ヨ「大丈夫? 目、いつもより死んでるけど……

 いつもか。
 そういやそうか。

 

 

 


ヨウ「ハッキリ言うと経営難って感じだな……。客が全然来ないから、売り上げが落ちる一方だ

 畳の上で向かい合い、駄菓子屋の窮状を説明する父・ヨウ。息子に包み隠さず話すのは、彼を信じているからでしょう。それか、何も考えてないのでしょう。どうか前者であってくれ。

ヨウ「だから店がボロくなった部分もなかなか直せないし……、ココノツは聞いてないし

 あ、それ以前に聞いてなかったか。
 それにしてもココノツくん、見事に死んでますね。死んだ魚の目っていうか、炒り子の眼球の方がもうちっと生気ありますよね。
 窓に背中を預け、虚空を見つめています。


 本当は、彼だって気付いていたのです。駄菓子の天才・鹿田ココノツが、店の状況を考えられないはずがありません。
 どんどんボロくなっていく店も。
 遠のいていく客足も。
 本当は全部、分かっていたのです。

 

コ(でもなんでか、ここに居ればいつかどうにかなると思ってた……)

 

 

(それを待ってた)

 

 


 扉が開いて。

 逆光のシルエットで。

 自信に溢れた言葉と表情で。

 あの人が、現れてくれるのを。

 


(ただ。待って…………)

 

 

 

 

 

 


「……あなたが持っていて」

 

 

 

 


 不意に、言葉が。

 あの人からもらった、言葉が。


「ダメだッ!!」


 死にかけていたココノツに、力を与えました。


「ダメだよ父さん店潰しちゃッ!!」

 身を起こし、父に詰め寄って、

 

「当たりがあるんだ!! 駄菓子屋の当たりは買った店でしか交換できないんだッ!!」

 

 駄菓子屋に来てくれる、お客さんのために。あの人が、急にホームランバーを食べたくなった時のために。

 ココノツは、この店を失う訳にはいかないのです。

 

 


 その時、店主・鹿田ヨウの瞳には、

(お前……、)

 逆光のシルエットで。

(なんっってイイ面してやがるんだよぅ……)

 決意に溢れた言葉と表情を持つ、息子の姿が映っていました。

 

 

 


ヨウ「……やるか。ココノツ」


「立て直すぞぉ……? 駄菓子屋をっ!!」


 いつもの元気を取り戻し、立ち上がった父。駄菓子屋再建に向けて、これ以上頼もしい人材はいません。ココノツの顔にも、笑顔が戻ります。
 そして、2人で、


ヨ「よぅしまずは、店の掃除からだぁーーっ☆」
コ「おぉーーうっ☆」


 え、なに。
 なにこのテンション。

救急車とタラタラしてんじゃね~よと…

コ「じゃあ店の外まで競争だぁーーっ☆」

 絶望を乗り越えて、明るい光に向かって走り出す父と息子。状況は、変わってないんですが。未来も、見えないんですが。
 それでも、人って幸せになれるんです。
 いま、この瞬間から。

 


 ……だがしかし。

 光の下へ出る瞬間。
 お父ちゃん、扉の角に、左足の小指をおもっくそぶつけました


 ぽきっ。


 店先でのたうち回る、鹿田ヨウ。

 駄菓子屋再建に向けたキーパーソン、鹿田ヨウ。


ココノツ「えええええええぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーッ!!??」


 ……人は、今この瞬間から幸せになれますが。
 それでも、落とし穴はあるので、気をつけましょう。

 

 


 ヨウさんは、救急車で運ばれて行きました。

 左足の小指を骨折し、全治一ヶ月だそうですが……。このシカダ駄菓子が、一ヶ月後にも存命しているかどうかは分かりません。

 ほたるさんを、待つばかりの毎日はやめて。
 一人でも、始めなければ。

 

 

 

サヤ「やっぱりココノツが心配だよ……。もともと目が死んでて怖いけど、最近はもっと深海魚みたいだし

 落ち込んでいるココノツを放っておけず、シカダ駄菓子に赴く遠藤兄妹。なんとか元気づけたいのです。目つきの悪さにかけては引けを取らないサヤ師にまで、瞳の濁り具合を気に掛けられています。

 

サヤ「あ、でも。ほたるちゃんの話は禁止ねっ!? 名前聞いた途端白目になるかも……」
豆「なんだよそれ。面白……、あれ?」

 駄菓子屋から、ゴミ袋を持ったココノツが出てきました。「今、片付け中で散らかってるけど、いらっしゃい」って、なんか朗らかに笑ってます。

豆「……元気じゃん」

 


 なんか元気になってたココノツに、これまで心配をかけてしまったことを謝られます。ついでに、店の片付けも手伝うことになりました。友達っていいな。

豆「いいってことよ。ほたるさんがいなくなってから、お前ごほぉっ

 ポンコツ兄貴をエルボーで黙らせるサヤ師。
 しかし、もう彼は立ち直っています。

コ「もう大丈夫。きっとほたるさんはまた来る。だからこの店を、また人が集まるような店にするんだ……!」

 

 

 

 


 豆くんがゴミ捨てに出て、2人きりになったココノツとサヤ。掃除は終わり、商品の陳列作業に入っています。

サヤ「えっと、うまい棒の次は……。ココノツ、なんだっけ?」


「タラタラしてんじゃね~よ」


 !?

 

 

 

 いま……、なんと?

サヤ(何だ……、突然?)

 普段のココノツからはまず発せられない暴言を唐突に浴びせられ、ちょっとフリーズするサヤ師。

 

(タラタラしてたか……? いや、してない……、はず)

 一応は、己を顧みて。

 

つうか、タラタラしてたからって、手伝いをしてあげてるこのサヤちゃんに対してその言葉ってのはどうなんだ? あぁ?

 その後、怒りのボルテージを急激に上げていきます。怖い怖い怖い。

 


「どう? 分かった? サヤちゃ

 振り返れば鬼がいた。
 臨戦態勢です。「殴りに行こうか」です。

 サヤちゃん、話し合おう。

 

 

 

サヤ「タラタラしてんじゃね~よ……?

 そう、そんな名前の駄菓子があるんです。魚のすり身を使った、おつまみ系駄菓子ですね。スープに入れても美味しいのだとか。良いこと聞いた。

 あ、コレのことです。

よっちゃん食品工業 タラタラしてんじゃねーよ 9g×20袋


 駄菓子トークで笑いあう2人。

コ「なんか久しぶりだなーこういうの。駄菓子の話をするのもさ

 店の天井を仰ぎ、爽やかに呟くココノツくんです。

 

コ「僕、ずっとあんなだったし。サヤちゃんはずっと元気づけようとしてくれてたのに。なんか……、ありがと

 この三ヶ月、ずっと放心状態だった自分を、見捨てずにいてくれた友達。力になりたいと想ってくれていた、友達。
 そんな大切な存在に、ココノツは改めてお礼を伝えました。


サヤ「あぁー、はは。別になんもしてないし

 告げられたサヤ師は、ちょっとそっぽを向いて、はぐらかしました。しかし心の中では、

くうぅぅーーーー嬉しいなぁッ!! めっちゃ照れるぅはははは……!!

 超照れてますね。
 まんま顔に出ちゃってるので、彼の方を向けないんですね。
 ココノツはココノツで、素直なお礼に照れています。2人とも、視線を合わせられません。お互いに身体が明後日の方を向いています。アライさんに弟子入りできそうです。


 ……え。

 え、ちょ、何この雰囲気?
 どうすんの、また花火上がんの?
 もうヒダマルの花火描写レパートリーは空っぽですぜ? こっから絞り出せってか? オーダーきついっすよ?

 

 

 なんか照れ臭い雰囲気の若人2人と、また花火上がったらこの記事続けられんぜどうするよと不安を抱えたヒダマル1人が作り出す空気を、


 ぶち壊すかのように。

 

 

 

「なぁなぁなぁ、さっきネコが道でさぁ」


 豆が。

 

 

 

 

 

「あ、ぁあ兄貴っ」
「おおぉ、お疲れっ」

 

豆「なに。その反応とか空気……

 

 慌てふためく年頃の男女。

 豆くん、流石に気付きます。「あれ? 自分、最悪なタイミングで戻っちゃった?」って感付いてます。ここは、対応を間違えられません。
 鈍い頭を働かせ、必死に打開策を打ち出そうと頑張って、

 発見したのは、妹の手にある駄菓子。

 

「てっ、テレテレしてんじゃね~よっ!!」

「上手いこと言おうとしてんじゃね~よ!!」

 

 ふう、オチた。

 

 

 

 


 遠藤兄妹の協力もあって、すっかり綺麗になったシカダ駄菓子。しかし、ココノツは満足しません。
 これまでもやってきたことだけでは、店を立て直すには今一つ足りないと考えているのです。流石は駄菓子の天才にして店長代理・鹿田ココノツです。

 店の行く末を真面目に語るココノツに、

サ「すげー……
豆「なんか、カッケェ……

 惚れなおす遠藤さん。
 同い年でこんなこと考えてる人間はあまりいないでしょうからね。まぁ尊敬しますよね。


 調子に乗って、駄菓子屋論を語るココノツ。「いうなれば、駄菓子屋はコンビニの走りみたいな存在なのかもしれない」という結論に落ち着きます。

コ「そうかっ、コンビニだ!!」

 そして、一つの活路を導き出しました。

 

コ「幸い、このあたりにはコンビニがないっ! つまり、そこを上手く使えば……」

 興奮しているココノツですが、あれ、どうした遠藤さん?
 2人して、急に視線を泳がせて、なんか言いにくそうな顔しちゃって、どうしました?
 川向こうに見える建物にチラチラと視線を投げかけて、何か伝えたいことでもあるのでしょうか?


サヤ「コ、ココノツ……」

 意を決して。
 サヤちゃんが、駄菓子屋の店長代理へ、声をかけます。

 

サヤ「あのね。あれ……」

 駄菓子屋の、目の前。
 川を挟んで、対岸に。

 


 コンビニが、建っています。

 


コ「コンビニ出来てるーーーーッ!?」


 シカダ駄菓子、再建計画。
 試練は、続きます。

 

 

 


 ほたるさんが失踪して、三カ月後のお話でした。
 魂の抜けたココノツが心配でしたが、仲間の支援を受けてなんとか立ち直りましたよ。お見事。
 まぁココノツはともかく、店長のヨウさんは今まで何してたんだって話ですが。

 次回は、駄菓子屋の困窮に合わせるように新装オープンしたコンビニへ潜入するんでしょうか。新キャラも出るっぽい。

 次回、「ビニコンと求人情報誌と……」。